家事の「断捨離」で時間が増える!やめる・減らす判断基準と実践リスト
はじめに:終わらない家事に追われる日々を変える視点
毎日、仕事に育児に追われ、家に帰っても休む間もなく家事が待っている。全てのことを完璧にこなそうと頑張っているのに、なかなか時間に余裕が生まれないと感じていませんか。
家事を効率化しようと、様々な時短テクニックや便利グッズを試している方も多いかもしれません。それももちろん有効な手段です。しかし、そもそも「やるべき」と思っている家事そのものを見直すことも、抜本的な負担軽減に繋がります。
この視点は、単なる「手抜き」とは異なります。「効率化によって丁寧さを維持し、心にゆとりを生み出す」という考え方に基づき、本当に価値のある家事を見極め、そうでないものを手放す勇気を持つことです。この記事では、家事の「断捨離」ともいえる、「やめる」「減らす」ための考え方と具体的な方法をご紹介します。
なぜ家事を「やめる」「減らす」必要があるのか
私たちは、知らず知らずのうちに「こうあるべき」という理想や、過去の習慣に縛られていることがあります。「毎日床を拭かなければならない」「洗剤は使わなければならない」「全て手作りでなければならない」といった固定観念が、家事の負担を増やしている可能性があります。
全ての家事を完璧にこなすことは、現実的ではありません。時間も体力も有限だからです。やみくもに頑張り続けることは、心身の疲弊を招き、肝心な家族との時間や自分自身の時間を削ってしまうことになります。
家事を「やめる」「減らす」ことは、決して怠惰なのではありません。限られた時間とエネルギーを、より価値のあること、つまり家族との関わりや休息、自己投資といった、自分や家族が本当に大切にしたいことに使うための、戦略的な選択なのです。
「やめる」「減らす」ための判断基準
家事を見直す際に、どのような基準で「やめる」「減らす」ことを判断すれば良いのでしょうか。以下の3つの視点から考えてみましょう。
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「本当に必要か?」を問い直す
- その家事は、誰のために、何のために必要なのでしょうか。
- もしその家事をしなかったら、どのような不都合が生じるでしょうか。
- 「なんとなくやっている」「昔からそうしていた」という理由だけで続けている家事はありませんか。
- 完璧な状態を目指すのではなく、「困らないレベル」はどこかを見極めます。
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「より効率的な方法はないか?」「代替手段はないか?」を考える
- 手作業でやっていることを、家電やツールに任せられないでしょうか。(例:乾燥機付き洗濯機、食洗機、ロボット掃除機)
- 外部サービスに頼ることはできないでしょうか。(例:宅配クリーニング、家事代行、ミールキット)
- 家族に協力をお願いすることはできないでしょうか。
- 作業の頻度や質を下げることはできないでしょうか。(例:毎日だったのを隔日にする、拭き掃除を掃き掃除で済ませる日を作る)
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「完璧主義を手放す」勇気を持つ
- SNSやメディアで見る「理想の暮らし」に縛られていませんか。
- 「〇〇でなければならない」という強いこだわりはありませんか。
- 少しぐらい片付いていなくても、少しぐらい手抜きに見えても、家族は本当に困るでしょうか。
- 心身の健康や家族との時間の方が、家事の完璧さよりもはるかに重要であることを認識します。
これらの基準で、今あなたが「やるべき」と思っている家事をリストアップし、一つ一つ見直していくことが第一歩です。
具体的な「やめる」「減らす」実践リスト例
では、具体的にどのような家事を「やめる」「減らす」ことができるでしょうか。あくまで一例ですが、参考にしてみてください。
- 洗濯:
- 乾燥機付き洗濯機や乾燥機を導入し、「干す」「取り込む」をやめる。
- たたむ手間を減らすため、ハンガー収納を増やす。
- アイロンがけが必要な服を減らす。(形状記憶シャツを選ぶなど)
- 掃除:
- ロボット掃除機に床掃除の一部を任せる。
- 毎日の拭き掃除をやめ、気になる時だけ行う。
- 洗剤の種類を減らす。(場所別の専用洗剤ではなく、多目的洗剤に統一するなど)
- 水回りの「こまめな掃除」を意識し、大掛かりな掃除の頻度を減らす。
- 料理:
- 全ての食事を手作りすることにこだわらない。(週に数回は惣菜や外食、ミールキットを利用する)
- 下ごしらえ済みのカット野菜や冷凍食品を活用する。
- 凝った料理や複数の副菜を作るのをやめ、メイン+簡単な一品に限定する日を作る。
- 献立を立てるのをやめ、その時あるもので簡単に作れるものにする。
- 片付け:
- 全ての物を完璧に分類・収納することにこだわらない。(「一時置き場」を作る)
- 子供のおもちゃは全てを片付けるのではなく、ある程度散らかっていても許容する。
- 来客に備えて常に完璧な状態を保つことをやめる。
- DMやチラシは玄関で即捨てる習慣をつける。
- その他:
- 手書きでの家計簿管理をやめ、アプリやクレジットカード明細を活用する。
- タオルを揃えたり、細かく分類したりするのをやめる。
- 毎日行う必要のない家事(例:トイレマットを毎日洗う、観葉植物の葉を毎日拭くなど)の頻度を見直す。
これはあくまで一般的な例です。ご自身の家庭の状況や価値観に合わせて、何なら手放せるかを考えてみてください。最初は小さなことから始めても構いません。
「やめる」「減らす」ためのヒント
家事の「やめる」「減らす」を実践するためには、いくつかのヒントがあります。
- 「やらないことリスト」を作る: 「TO DOリスト」だけでなく、「NOT TO DOリスト(やらないことリスト)」を作成してみましょう。目に見える形で書き出すことで、意識しやすくなります。
- ハードルを下げる: いきなり完璧にやめる必要はありません。まずは頻度を減らしたり、質を少し下げてみたりすることから始めます。
- 家族と共有する: 一人で抱え込まず、家族に「これをやめたい(減らしたい)と思うんだけど、どうかな?」と相談してみましょう。意外な協力が得られるかもしれません。
- 新しい習慣を取り入れる勇気: 例えば、食洗機を導入したのに結局手で洗ってしまう、乾燥機を使わず干してしまう、といった習慣がある場合は、意識的に新しい方法を試してみる期間を作りましょう。最初は手間に感じるかもしれませんが、慣れればラクになります。
- 自分を責めない: 「やらないこと」を決めたからといって、自分を怠けていると責めないでください。これは時間を有効活用するための賢い選択です。
まとめ:手放す勇気が、時間とゆとりを生む
家事を「やめる」「減らす」という視点は、これまでの「頑張ってこなす」という考え方から離れる必要があるかもしれません。しかし、全てを抱え込み、心身ともに疲れ果ててしまう前に、立ち止まって見直すことは、効率よく丁寧な生活を送るために非常に重要なステップです。
本当に必要なことを見極め、思い切って手放すことで、驚くほど時間や心にゆとりが生まれる可能性があります。そのゆとりで、家族との会話を楽しんだり、自分の好きなことに時間を使ったり、ゆっくり休息したりすることができるようになります。
この記事でご紹介した判断基準や実践リストを参考に、あなたの家庭にとって「本当に必要な家事」と「手放せる家事」を見つけてみてください。小さな一歩からでも、きっと日々の暮らしが楽になり、時間が増えることを実感できるはずです。